宇宙から配信するビットコイン「Blockstream Satellite」

Blockstream Satelliteで世界中の全ての人にビットコインを

Blockstreamが2017年8月15日に発表した「Blockstream Satellite」に注目が集まっています。
Blockstream Satelliteは人工衛星を使ったビットコインのネットワークで、
アフリカの農村などの安定したインターネットアクセスができないような地域でもビットコインを活用するための支援を行うプロジェクトです。
宇宙空間に打ち上げられた人工衛星からリアルタイムでブロードキャストすることにより、ビットコインの決済処理を行うための方法と発表されています。
理論上、Blockstream Satelliteを使うことにより、世界中のすべての人がビットコインのネットワークにアクセスできることになります。

Blockstreamについて

Blockstreamは、2014年1月創業のカナダのモントリオールに本社を置くAdam Back氏がCEOの会社で、
ビットコインの開発を手がけてきた第一線の技術者が数多く所属しており、暗号通貨の基盤技術であるブロックチェーンを色々な業界や用途で利用するための先進的なプロダクト開発を行っていることで知られています。
創業間もない時期の、2014年11月には、LinkedIn創業者のReid Hoffman氏やKhosla Ventures、Real Venturesから2100万ドルを調達したことでも知られています。
2016年2月には、デジタルガレージの子会社であるDGインキュベーションがシリーズAの増資で出資しています。

Blockstream Satelliteの利用に必要なもの

Blockstream Satelliteのネットワークを利用するためには、
PC、テレビの衛星放送受信アンテナ、受信機、SDRドングルが必要になります。
テレビの衛星放送受信アンテナはどこにでもありますし、1台12ドルほどの受信機、1台20ドルほどのSDRドングルがあれば利用できますので、利用環境を準備するのは容易であると、Blockstream Satelliteプロジェクトの責任者Chris Cook氏は言っています。

これらを使用して利用者は、Blockstreamの衛星と同期を行い、ビットコインのブロックチェーンを利用できるようになります。
既に現時点で、Galaxy18がアメリカ大陸、 Eutelsat113が南アメリカ大陸、 The Telstar 11N Satelliteが アフリカ大陸とヨーロッパをカバーしており、Blockstream Satelliteは世界全体の3分の2もの地域で利用できるようになっていて、2017年末までには、世界中のどこの地域にいても利用できるようになる見込みです。

通貨下落の影響を回避できる

これにより、世間一般の全ての人々がビットコインで自分の財産を管理するようになれば、
政策によるものや経済破綻による通貨下落の影響を容易に防ぐことができる可能性もあります。
近年の通貨下落のケースでは、インドやベネズエラのケースが挙げられます。

インドでは、政府が突然、市場に流通している紙幣の86%を占める500ルピーと1000ルピー紙幣を廃止し、市場から強制的に回収したことで低所得者や小規模事業者の多くが打撃を受けました。
ベネズエラでは、オイルの価格下落や政府の汚職により通貨であるボリバルが下落し、1年で1000%を超えるハイパーインフレになっています。
このような状況になっても、ビットコインを持っていれば、自分の生活における通貨下落の影響を回避できる可能性があります。