ビットコインキャッシュのインサイダー疑惑
ビットコインキャッシュが大手の取引所に上場して急騰
2017年12月19日にコインベースとジーダックスがビットコインキャッシュの取り扱いを開始すると発表しました。それを受けて、需要が急激に増えたため、価格はわずか1時間で1000ドルから8000ドルまで値上がりしました。
一般的に、仮想通貨が大手の取引所で取り扱われるようになると、少数のユーザーの間でしか流通していなかったのが、多くの人の目に留まるようになり、価格が値上がりする傾向にあります。今回の問題点は、コインベースによる発表の前に、インサイダー情報を知って購入していた人がいた点です。
インサイダーの証拠
12月18日に掲示板サイト「レディット」において、「mukiwa2」というユーザーが「ビットコインキャッシュが数日後に上場する」という投稿をしました。「mukiwa2」は、レディット上でコインベースに知り合いがいる旨の投稿をしています。
この「mukiwa2」は、まずいと思ったのか、すぐにコメントとアカウントを削除しましたが、それを見ていた仮想通貨愛好家のAlbert Renshaw氏が証拠をアーカイブに保存し、身元を特定しました。「ビットコインとアルトコインの愛好家」で、ツイッターで仮想通貨関係の投稿を多数している人物とのことです。
ビットコインの神にもインサイダー疑惑
仮想通貨の世界ではじめてビットコインのスタートアップ企業に投資を行った人物として有名で「ビットコインの神(ビットコイン・ジーザス)」とも呼ばれているBitcoin.comのCEOであるロジャー・バー氏もコインベースへの上場を知ったうえで仕込んでいたとインサイダー疑惑が持たれています。
ロジャー・バー氏は、政府が法律による仮想通貨への規制を行っていないことを根拠に、仮想通貨のインサイダー取引は犯罪ではないと反論しています。
コインベースの発表前にもビットコインキャッシュの価格は大幅に上がっており、他にもコインベースの社員や関係者が多数購入したのではと考えられています。コインベースは詳細を調査し、インサイダー取引を行った社員を解雇する旨、発表していますが、大きく批判されています。
仮想通貨市場においても法整備が待たれる状況
株式市場においては、当該企業の関係者が取引を行なった場合にインサイダー取引となり違法であると明確に規定されていますが、仮想通貨におけるインサイダー取引はどのような場合に該当するのかがまだ法律で定められていません。
不公平を無くすためにも、仮想通貨市場においても法整備が待たれます。